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元中学教諭が教える!中学生が成績UPの為に読むべきおすすめの本10選!

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「読書ってなんでしないといけないの?」**

 

こんな中学生の素朴な疑問に対して、明確に答えを出せなかった親御様もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

確かに読書の魅力を知っていても、なかなかこの問いに答えることはできません。それは「面白いから」という理由で読書をしているからではないでしょうか。

 

しかし中学生の多くは読書を「面白いもの」とは思っておらず、ただ「しなければいけないもの」と捉えています。

 

私は中学校の国語科教員として、中学生の「なぜ読書をしなければいけないの?」という疑問に対してこのように答えてきました。

 

「面白いからです。そして面白い本を紹介することができます。」

 

今回は読書嫌いな中学生たちが読書家になるきっかけとなった本を10冊ご紹介していきます。

 

「読書をして欲しいけれど、おすすめの本が思いつかない」

 

こんな悩みを抱えている親御様は是非、参考にしていただきたいと思います。

 

なぜ「読書をしろ」と言うの?読書が国語の成績にもたらす多大な影響

「面白いから」する読書ですが、国語の能力や成績に大きな影響をもたらします。

 

以下に国語の成績・能力を向上させる上で読書がどのような効果を発揮するのかをご紹介していきます。

 

読書をすることで以下の6つの利点があります。

 

  1. 正確な日本語の使い方が分かる。
  2. 言葉の表現能力が増える。
  3. 語彙力(知っている言葉の量)が増える。
  4. 文章読解の際の想像力が鍛えられる。
  5. 読み書きできる漢字が増える。
  6. 知識が豊富になる。

 

正確な日本語の使い方が分かる

読書をすることで正しい日本語の使い方を理解することができます。

 

著者によって言葉遣いや表現方法は様々ですが、基本的な日本語を学ぶのにはうってつけの教材が本だと言えます。

 

正しい日本語を学ぶことによって、作文や小論文などで高評価を得ることができる文章作成が行えたり、スピーチなどの喋る機会などで正確な日本語を喋る能力を得ることができます。

 

言葉の表現能力が増える

また読書をすることで様々な言葉の表現方法を知ることができ、表現豊かに言葉を扱えるようになります。

 

この表現能力が増えることで、作文や感想文、小論文などといった中学生が苦手意識を持つ文章作成に対して積極的に取り組めるようになります。

 

多くの中学生が高校への進学をすることになりますが、高校受験の際にも私立高校を受ける場合には、小論文の課題がほぼ確実に課されることとなります。

 

読書をしてこなかった中学生の多くは、受験時期に5科目の受験勉強よりも、小論文対策にあくせくしています。

 

国語の成績としても、受験勉強としても読書は非常に大切な学習方法であると言えます。

 

また余談ですが、読書は中学生段階の発育に非常に大切なものだと言われています。

 

思春期になると、脳の発育が進み、これまで以上に思考が複雑化していきます。

 

しかしその複雑化した思考を表現する言葉を持っていなければ、思い悩んでしまったり、周囲に相談することができなくなります

 

それが引きこもりやいじめに繋がっている場合が多いのです。

 

そこで読書を通じて言葉の表現の幅を増やすことで、自分の考えを言語化することができ、悩みやストレスを抱える量が減少します。

 

中学生段階でどれだけの言葉の表現の幅を知っているかが、健全な発育に繋がっているということは間違いありません。

 

語彙力(知っている言葉の量)が増える

読書の効力は語彙力(知っている言葉の量)が増えるというところにもあります。

 

国語の、特に現代文の成績が良くない中学生の多くは、知っている言葉の量が少ないという課題を持っています。

 

言葉の意味自体を知らなければ、英語の文章を読んでいるのと同じで、文章の意味自体が捉えられなくなってしまいます。

 

知らない言葉があることは仕方のないことです。しかし読書を通じて知っている言葉を増やしていくことで読解力が増し、国語の成績に直結する文章読解能力が向上していきます。

 

また語彙力が増えることで、知らない言葉が出てきたとしても分脈や使われている漢字からその意味を推測することができるようにもなります。

 

文章読解の際の想像力が鍛えられる

読書をすることで、文章読解をしながらその情景やシーンをイメージする想像力を鍛えることができます。

 

小学生から中学生に上がった際に、国語の教科書の中で起きる一番大きな変化をご存知でしょうか。

 

それは、イラストの数が減るということです。

 

当然、文章にイラストが付いていれば、その文章の中で起こっている情景を思い描くことは容易です。

 

しかし大人になるにつれてイラスト付きの文章ではなく、文字だけの文章を読む力を鍛えていかなければなりません。

 

そのような狙いから国語の教科書は小学校から高校までにかけて少しずつ文章量が増え、イラスト数が減っていくのです。

 

つまり「文章から情景をイメージする力」がなければ、文章を読解することができなくなるということなのです。

 

読書を通じて、文章という文字の羅列から情報を抜き出し、その情景をイメージする力を鍛えることで、文章をより精密に読解することができるようになります。

 

この能力が高ければ高いほど、国語の授業で読む文章をしっかりと読み込むことができますので、その文章に関する問題についても正確に答えることができるようになります。

 

読み書きできる漢字が増える

読書をすることで読み書きできる漢字が増えるようになります。

実は本というのは特に「読み」の面で非常に優秀な学習教材です。

 

きちんと発育段階にふさわしい選書をすることで、現在の学習段階では知らないであろう漢字には振り仮名が振られているため、自然に難しい漢字の読みを学ぶことができるからです。

 

「漢字の勉強」というと、どうしても漢字ドリルなどといった身構えてしまう学習教材を思い浮かべがちです。

 

しかしいやいやで学ぶ勉強には意味がありません。

 

中学生が面白いと感じるような本を選ぶことで、「楽しく無意識のうちに漢字を学習している」という理想的な学習環境を作ることができるのです。

 

もちろん「テスト前に漢字の勉強」という詰め込み学習も大切なのですが、普段から読書をしていることで漢字への知識・理解のベースを自然と形成していくことができるのです。

 

知識が豊富になる

読書をすることで物事への知識が豊富になるという効果があります。

 

一見、国語の授業と繋がっていないような内容の本でも意外と関係しているということがあります。

 

例えば実際に私の中学校教員時代にはこのようなことがありました。

 

その時、私は『少年の日の思い出』という教材を使っていました。この時、教え子の一人に昆虫についての本を読んでいる生徒がいました。

 

『少年の日の思い出』には昆虫採集や昆虫標本についての話が出てくるので、その生徒の読書体験や興味関心と深くマッチングし、その生徒の学習意欲は非常に高まりました。

 

学習意欲が高まったことで国語の授業の中で発表をしたり、提出物を出したりと積極的な姿勢が見られるようになり最終的に国語の成績が向上していきました。

 

自分の知っている知識と授業内で扱われる内容が合わさることで、脳が活性化し、授業へのモチベーションが高まるといったことはよくあることです。

 

そしてこのような現象は、知識が豊富であればあるほど起こりやすいと言えます。

 

読書を通じて知識を広げることで、国語の成績を向上させるということが起こり得るのです。

読書が苦手な人が陥りがちな事

次に読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては以下のようなことが挙げられます。

 

  1. 興味のない本を選ぶ
  2. 難しい本を選ぶ
  3. 面白くないのに最後まで読もうとする
  4. 一文字一文字丁寧に読まなければならないという意識がある
  5. 本は1ページ目から読むものだと考えている
  6. 「読書はしなければならないもの」と考えている

 

興味のない本を選ぶ

一つ目の読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては、「興味のない本を選ぶ」ということです。

 

例えば「流行っているから」などの理由で読み始めた本が、実際に読んでみるとあまり面白くなかったという経験は誰にでもあるはずです。

 

「興味がないけれど、なんだか話題だから読んでみよう」という意識で本を選ぶことで運命の一冊に出会うこともあるのですが、多くの場合、「やっぱり興味がなかった」とがっかりしてしまうことが多いのです。

 

読書家の方であれば、それでも他の本にトライしてみようと思いますが、読書が苦手な中学生であれば「せっかく本を選んだのに読み進められない。やっぱり読書は面白くないんだ」と挫折してしまう可能性があります。

 

そうならないためには、どのようなテーマでもいいので自分が興味・関心を抱いている本を選ぶということが読書をする上で最も大切なのです。

 

読書が苦手な中学生のお子様には、「面白くない本は読まなくていい」「興味のあるテーマを選ぼう」とアドバイスをしてあげることが大切です。

 

 

難しい本を選ぶ

次に紹介する読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては、「難しい本を選ぶ」ということが挙げられます。

 

これも上記の「興味のない本を選ぶ」ということに通じますが、自分の語彙力や読解力を超える本を選んでも内容が分からず面白くありません。

 

またそのような難しい本を読むことは、読書が苦手な中学生にとっては苦痛が伴うものになってしまいます。

 

どれだけ興味がある分野であろうと、自分の発育段階・学習段階に合わない本を選ぶことは避けたほうがいいでしょう。

 

読書が苦手な中学生のお子様には、本を購入したり借りる前に一度パラパラと中身を見てみて、内容レベルが自分に合っているかどうかをアドバイスしてあげるといいでしょう。

 

 

面白くないのに最後まで読もうとする

次に紹介する読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては、「面白くないのに最後まで読もうとする」ということです。

 

読書量が少ない方がこのように考えがちなのですが、読書はあくまで趣味の範囲であるので面白くなければやめていいという意識が非常に大切です。

 

面白くない本でもせっかく買ったのだからと最後まで読むことは気持ち的な負担も大きく、時間的な浪費をしてしまいます。

 

少しもったいないと思うかもしれませんが、「面白くなければすぐにやめて次の本を探す」ぐらいの軽い意識で読書をすることで、読書への苦手意識を軽減することができます。

 

読書が苦手な中学生のお子様には、「無理に最後まで読まなくていい」と読書に対してのハードルを下げてあげるアドバイスをするといいでしょう。

 

 

一文字ずつ丁寧に読まなければならないという意識がある

次に紹介する読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては、「一文字ずつ丁寧に読まなければいけないと考えている」ということです。

 

これは読解力に自信がない方に見られる傾向です。

 

「一文字ずつ読まなければ内容が分からないかもしれない」

「大切な部分を読み飛ばすかもしれない」

 

このように考えて読書をすると、スムーズに読書をすることはできず、かなりの集中力を要します。

 

しかしこのような読書は長続きせず、結果的に読書量は増えません。

 

読書をする際には、

「軽く読み飛ばしながら文字を眺めて、分からない言葉があれば前に戻ってみる」

ぐらいの意識で読み進めていきましょう。

 

また読書をするのに中学生のお子様があまりに時間をかけているようであれば、内容レベルが高いかもしれないということを気にかけてあげることも大切です。

 

 

本は1ページ目から読むものだと考えている

次に紹介する読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては、「本は1ページ目から読むものだと考えている」ということです。

 

しかし本の中には興味があることもあれば、全く関心のない部分もあります。

 

インターネットで記事を読む際には、興味のある部分だけ読んで、あとは読まないという飛ばし読みをしている方は少なくないはずです。

 

本もそれと同様で、関心のある部分だけを抽出して読むことが良いとされています。

 

無理矢理1ページ目から読むとなると読書をすることへの意識のハードルが高まってしまい、ますます読書への苦手意識を強めてしまいます。

 

そのため読書が苦手なお子様には、「目次を見て興味のある部分から読み進めよう」とアドバイスをしてあげると良いでしょう。

 

「読書はしなければならないもの」と考えている

最後に紹介する読書が苦手な人が陥りがちな傾向としては、「読書はしなければいけないと考えている」ということです。

 

これは「読書をしなさい」というアプローチで中学生に読書を進めていることが原因です。

 

実は私も大学生になるまでは読書が大嫌いでした。なぜなら「読書はするべきものであり、楽しいものではないから」と考えていたからです。

 

そんな私が自然と読書を始めるようになったのは、興味のある研究分野で調べごとをする際に、調べごとの手段の一つとして読書があったからでした。

 

 

その時私は自然に、そして自発的に読書を始めることができました。

 

読書は周囲が強制しても習慣化はしません。

たとえその時、読書をするようになったとしても長続きはしないのです。

 

それよりも読書に苦手意識を持つ中学生が、どんなことに興味を持ち、その好奇心を満たすためにどんな本がいいのかについて一緒に考えていくということが大切です。

 

読書はあくまで趣味の範囲で強制するものではなく、自発的に始めるものという意識を持って読書を勧めていきましょう。

 

 

 

国語の専門家が選ぶ!おすすめ図書10選

 

では中学校国語科教員として、読書に苦手意識を持つ中学生が読書を始めるきっかけとなった本をご紹介していきます。

 

読書レベルの順番で紹介をしていきますので、読書が苦手な方は前半の方の本を、読書が好きな方は後半の方の本を選書の参考にしてください。

 

 

おすすめ1.「ミッケ!」シリーズ

  • タイトル

    「ミッケ!いつまでもあそべるかくれんぼ絵本 I」

    「ミッケ!びっくりハウス」

    「ミッケ! たからじま」など多数出版

  • 出版社

    小学館

  • 価格

    ¥1,496

  • 作者

    ジーン・アルゾーロ(著者)/糸井重里(翻訳)

  • ジャンル

    絵本

  • 簡単なあらすじ

    「ミッケ!」とは2ページにまたがって1枚の写真が載せれており、ページ下部の問題に従って指定されたものを探すという視覚探索絵本と呼ばれるものです。

    近しいジャンルに「ウォーリーをさがせ!」などがあります。

 

2ページにわたる大きな写真には鍵やネジ、ボタンなどといった沢山のガラクタが散りばめられており、絵としても可愛く、面白い一冊です。

 

問題に指定された物は本を離れて見たり、顔を近づけて見たり、いろいろな角度から見たり、数日空けて改めて見たり、様々な見方をすることでやっと見つけられるという難易度の高さ。

 

その難しさや見つかった時の爽快感が癖になって、ハマってしまう絵本です。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    「中学生に絵本なんて幼稚すぎるんじゃない?」とお考えでしょう。しかしこの「ミッケ!」シリーズ、大人でも夢中になってしまうほどの魅力がある絵本なのです。

 

この「ミッケ!」をおすすめしたいのは、「本を開く習慣が全くない」といった読書経験を持っていない中学生たちです。

 

私が中学校教員をしている際に、朝読書という、朝のショートホームルームの時間前に全員が揃って読書をする時間がありました。

 

しかし、読書に苦手意識を持つ中学生はその時間、体を伏せってしまったり、ただ表紙を眺めているだけということがありました。

 

そんな中学生にはまず「本を開ける」という習慣から形成していく必要がありました。そしてそんな時に役立ったのが、この「ミッケ!」でした。

 

それまで本すら開かなかった中学生が夢中でページをめくり、本を読み進めていきました。

時間が足りずに「朝読書の時間を延長して欲しい」と言ってくる生徒もいました。

 

それまで朝読書の時間が苦痛に感じていた中学生たちが、楽しそうに読書するようになったのは、本屋さんでおすすめされているベストセラーではなく、「ミッケ!」を読み始めてからでした。

 

この「ミッケ!」を通して「意外と本って面白いかも」と思ってもらうきっかけ作りをすることができます。

 

おすすめ2. 「死ぬかと思った」シリーズ

  • タイトル

    「死ぬかと思った」

  • 出版社

    アスペクト

  • 価格(わかれば)

    ¥1,600

  • 作者

    林 雄司(編者)

  • ジャンル

    お笑い・ギャグ

  • 簡単なあらすじ

    恥ずかしさのあまり「死ぬかと思った」経験や、ちょっとした失敗で死にかけたという経験がたくさん詰まった死にかけ体験ベストセレクションです。

 

例えば、「料理をしているときに髪の毛が燃えてカーテンごと包まれておでこが日焼けした。死ぬかと思った」や「食パンを粉薬のオブラートがわりにして飲み込んだら予想通り喉に詰まった。死ぬかと思った」と言ったような笑える「死にかけ体験」が面白い一冊。

 

元々は「Webやぎの目」という大人気ホームページに投稿されたものが、その人気のために書籍化されるに至りました。

 

現在は、シリーズ8巻まで出版されており、「世界一低レベルな臨死体験」と評される一冊です。

  • おすすめポイントなどの紹介文(こちらは独自の見解歓迎です!)

    「今まで一冊も本を読んだことがない」「本を読み終えたことがない」「読書なんて絶対にしたくない」

 

このように読書に対して嫌悪感を持つ中学生に対して必ず貸し出していたのがこの「死ぬかと思った」です。苦手意識を持つ中学生が爆笑しながらこの本を読んでいる姿を今までたくさん見てきました。

 

読みやすい理由はもちろんその内容がユーモアに溢れており面白いということが挙げられますが、それ以外にも1ぺージ完結型の小話集のため読みやすいということや、本が分厚くないために手軽に手に取れるということもその理由です。

 

この本は難しい内容ではありませんし、知識が増えたり、賢くなったりということは期待できません。

 

しかし本嫌いな中学生に対して、「面白い本だってあるんだよ」という何よりも大切な読書への価値を伝えることができるのです。そのような本はなかなかありません。

 

先ほど紹介した「ミッケ!」と同じく、まずは本を開くという習慣を身につけさせるという意味でかなり効果的な一冊だと言えます。

 

また「ミッケ!」とは違い、容易でありますが平仮名・漢字を使って書かれている本なので、次の読書へとステップを踏みやすいという利点もあります。

 

少し下品なネタもありますが、「読書って意外と楽しいんだ」と気づいてくれる魅力溢れる本なのです。

おすすめ3.「言いまつがい」

  • タイトル

    「言いまつがい」

  • 出版社

    新潮社

  • 価格

    ¥637

  • 作者

    糸井重里 / ほぼ日刊イトイ新聞

  • ジャンル

    サブカルチャー

  • 簡単なあらすじ

    「壁の上塗り」「ざっくらばん」「まことしなやかに」などよくある言い間違いを集めた一冊です。

 

「本人はいたって真面目に発言しているからこそ、むしろそれが面白い。」

「この言い間違いはよく聞く」

 

と納得しながらも爆笑できるのがこの「言いまつがい」です。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    この本は先ほど紹介した「死ぬかと思った」にハマった中学生なら全員が好きになってくれること間違いない爆笑必至の一冊です。

 

しかも「死ぬかと思った」と比べると分量が増え、イラストが少ないために徐々にですが、教科書や大人向けの本の体裁に近づいてきているということも特徴です。

 

また国語科教師としても本当におすすめしたいポイントがあります。それは、「笑いながらも正しい日本語を学べる」ということなのです。

 

私が中学校教員として生活をしている際にこのようなことがありました。

 

ある生徒が体調の悪そうな顔をして「先生、頭痛が痛いです。」と言ってきました。それに対してこの「言いまつがい」を読んでいた生徒が、「それ、頭痛と痛いで意味被ってるよ!『言いまつがい』って本で「驚くほどびっくりする」って書いてあったのと一緒じゃん!」と指摘していました。

 

タイミングがタイミングですが、日本語を正しく使うという観点で、この生徒は良い発見をしたということです。

 

反面教師という言葉がありますが、言い間違いについて学ぶことは、それを反面教師にして正しい日本語を使えるようになる良いきっかけとなります。

 

まさにこの本こそ「楽しみながら学習ができる」という理想を実現することができる本です。

 

他にも「理路騒然(理路整然)」など知っておきたい、間違いやすい四字熟語について知ることもできますのでおすすめです。

 

おすすめ4.「5分後に意外な結末」シリーズ

  • タイトル

    「5分後に意外な結末」

  • 出版社

    学研教育出版(編集)

  • 価格

    ¥1,080

  • 作者

    学研プラス

  • ジャンル

    短編集

  • 簡単なあらすじ

    この「5分後に意外な結末」は、読書が苦手な中学生でもたった5分間で読めてしまう短編が詰まった一冊です。

 

また「5分後に意外な結末」オリジナルの短編だけではなくて、日本の落語からとってきた話や世界にある都市伝説・名作小説・世界中に散らばっている小話なども載せられています。

 

中でもオススメの話を簡単にご紹介します。

 

それは「100ドルを借りにきた男」という話です。ある日、銀行に100ドルの融資を受けにきた客がいました。100ドルというと融資額としてはかなり少額で、融資係は詐欺ではないかと疑いました。しかしその客は担保として高級なロールスロイスの車を預けると言ったため、銀行は100ドルを融資することにしました。6週間後、男は100ドルを持って銀行に訪れこう言いました。「ニューカレドニアは最高だった。空港の駐車場代は1日に10ドルもするもんだから、銀行に預けてよかったよ!」そう、男は担保の名目で銀行を駐車場として利用したのでした。

 

このような少し笑えるような小話や、「おっ」と思える話がたくさん収録されているのが、「5分後に意外な結末」です。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    短編のジャンルも様々あり、笑える話や感動する話、ちょっと怖い話や皮肉な話など好みに合わせて選び読みすることができるため、興味ある話だけを読み進めていくことがおすすめです。

 

先にも紹介した通り、5分で読めてしまう気軽さがこの本の魅力であり、また活字ばかりで構成されているというのが「本格的な読書」の足がかりともなります。

 

実際に私が担当していた中学生も、この本を読んだ後に、一冊構成の小説に手を出したり、続けて「5分後に意外な結末」シリーズを読んだり、別の短編集に手を出し始める学生は少なくありませんでした。

 

読書の醍醐味の一つは「本の中から得た情報を人に披露できる」ということです。実際に「5分後に意外な結末」を読んだ中学生が嬉しそうにその話をしている場面を何度も目にしてきました。

 

このように読書をしたことで人に感心してもらえるという体験は、読書を自発的に行う足がかりになります。

おすすめ5.「カラフル」

  • タイトル

    「カラフル」

  • 出版社

    文藝春秋

  • 価格

    ¥583

  • 作者

    森絵都

  • ジャンル

    小説

  • 簡単なあらすじ

    あることに思い悩み自殺をしてしまった中学三年生の少年が主人公です。しかし自殺したはずの少年は天使の手によって別の少年・小林真の体に乗り移ることになりました。

 

小林真の境遇はたいへん不幸で、両親の仲が悪く、母親は不倫、父親は自己中心的な振る舞い、そして兄は嫌がらせをしてくるような家庭で育ちました。そして学校には友人がいませんでした。

 

そんな小林真として過ごすうちに少しずつ家族、学校の友人たちとの関係が変わり始め、人の長所や短所が色とりどりに見えるようになっていきます。

 

その後、色々なことがあり生身の体を取り戻した少年は、悩みを別の角度で見ることの大切さ、生きていくことの楽しさなどを学び、生きていくことを決心します。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    ページ数は259ページと、これまで紹介した書籍の中では長めのものです。しかし文章のタッチがとても軽く、内容も面白く泣けるものなので、少し読書に慣れてきた中学生であればスラっと読めてしまう小説です。

 

またこれまで紹介した本は短編集や1ページ構成の本でしたが、こちらの本は一冊を通した小説のため、読みやすいながら、一冊読みきったことが読書体験の中での自信となります。

 

この本は高校生が選んだ読みたい本として第1位となったものですが、私は中学1年生の本に少し慣れてきた人には夏休みの読書感想文などに勧めていました。

 

またこの本を中学生に勧めることの理由は読みやすさだけではありません。「カラフル」というタイトルに込められた思いを是非、中学生に汲み取って欲しいという思いがもう一つの理由です。

 

主人公は同世代の悩みを抱えた中学生です。しかし作中の様々な出会いや出来事の中で一つの悩みでも様々な価値観や立場に立って考えたときに意外と「そんなに思い悩まなくてもいいかもしれない」と気づきます。

 

その気づきを中学生という多感な時期の子供達にも知って欲しい、一つのことに思い悩まずに色々な人の話を聞き、視点を変えていってほしい。

 

カラフルという小説を読むことで、生きていく上で大切なヒントを得ることができるのではないかと考えています。

読みやすく、充実した内容があり、メッセージ性もある。文句なしで中学生におすすめした本です。

おすすめ6.「空想科学読本」シリーズ

  • タイトル

    「空想科学読本」

  • 出版社

    KADOKAWA/メディアファクトリー

  • 価格

    ¥1,296

  • 作者

    柳田理科雄

  • ジャンル

    評論・文学研究

  • 簡単なあらすじ

    「空想科学読本」は、フィクション上に登場する様々な出来事やキャラクターを科学的な視点から考察していく考察本です。

 

例えばウルトラマンやゴジラ、ドラえもんなどについて、それらが「科学的に可能なのか」「科学的に可能にするためにはどうすればいいのか」といったようなことが真面目に書かれており、その真面目な考察がまた面白いと人気です。

 

例えば

-「ドラえもんのタケコプターを物理的に実現するためにはどのような機能が必要なのか」

-「ガッチャマンが変身するためには、ブレスレットに圧縮されたスーツやヘルメットが入っている必要がある」

 

などといったようなものが挿絵や科学的な知見をもとに考察されていきます。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    この本を読み始めた時にどんな中学生も「そんなしょうもないことを考察してどうなるの?」と言ったような気持ちから読み始めます。この気持ちが読書へのハードルを下げてくれるので大切です。

 

しかし実際に読み進めていくと、科学的な専門用語や知識を交えて、馴染み深いアニメーションやSF映画などについてわかりやすく解説をしてくれているので勉強にもなります。

 

国語教師の視点から言えば、空想科学読本を読むことで「資料を見ながら文章を読み解く能力」を身に付けることができます。

 

小説では文章から想像する力を身につけることができますが、空想科学読本では図表を参照しながら文章を読むという限りなく社会人になった際に行う資料読解に似た読書体験をすることができます。

 

実は国語の授業で中学生が苦労するのがこの「資料を見ながら文章を読み解く」という学習活動です。

 

例えば「鹿の落ち穂拾い」という教材では、文章とともに鹿がどの季節に落ちている果実を食べたのかを分析した資料を読みます。この授業を行うと、文章も見なければいけないし、資料も読まなければいけないという状況に読解が難航します。

 

しかし受験では、必ずこの力は必要になっていきます。「空想科学読本」は楽しく、この力を身につける手助けをしてくれる優れた一冊だと言えます。

 

実は読書嫌いだった中学生の頃の私も「空想科学読本」だけはゲラゲラと笑いながら読んだ経験があります。

 

科学に興味がある中学生でも、そうでなくても自信を持っておすすめできる一冊です。

 

おすすめ7.「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」

  • タイトル

    「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」

  • 出版社

    主婦と生活社

  • 価格

    ¥1,500

  • 作者

    西野亮廣

  • ジャンル

    自己啓発

  • 簡単なあらすじ

    -「オール3の状態が最も効率が悪い」

    -「人生を賭けるほどの『問い』の見つけ方」

    -「好きなことでしか生きていけない時代が来ている」

 

など意外性のある話を現代の生き方として紹介しているのがこちらの一冊です。

どのようにすれば自分だけの仕事が作れるのか、そして広げられるのか。

 

学校では教えることができないお金の話、また常識をどうやったら覆すことができるのかなどを字数は少なく、しかし経験談を交えて説得力は高く書かれています。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    作者が芸人のキングコング西野亮廣さんだということで興味を持つ中学生が多い本でした。

 

また大人より柔軟な価値観を持っている中学生だからこそ、そしてこれから未来をいくらでも作っていくことができる中学生にこそ読んで欲しい、そんな一冊です。

 

例えばこれまで「好きなことだけをしていては生きていけない」と言われてきました。

 

しかし単純作業や肉体労働など「嫌な仕事」だと思われる仕事ほどAIが取って代わるようになっていきます。

 

ではこれから社会人となる中学生たちはどのような仕事に就けばいいのか。それは「AIには勝てない人間独特なこだわりや偏愛のある仕事」です。

 

そしてどんなことにこだわりがあり、偏愛があるのかは人それぞれであり、まだ好きなことがわからない中学生は見つけていかなければなりません。

 

「これからは好きなことをしないと生きていけない時代になる」というのは、中学生にとっても大人にとっても新鮮な視点であり、中学生の生きるヒントになるのではないかと考えています。

 

また「オール3ではコスパが悪い」というのも意外に思われるかもしれません。しかし実際のところ、全てが平均で、全てがみんなと一緒ならそれでいい、ということはありません。

 

「苦手なことはあってもいいから、自分だけの好き・得意を見つけなさい」と、勇気をくれる言葉が本書では語られています。

 

また分厚く見える本なのですが、字が大きく、改行、空白も多い本なので読みやすい本です。

中学1年生の生徒が1ヶ月程度、朝読書(毎日10分間)で読んでいたので、合計すると4時間以内で読めてしまう本となっています。

 

おすすめ8.「文豪ストレイドッグス」シリーズ

  • タイトル

    「文豪ストレイドッグス」シリーズ

  • 出版社

    角川書店

  • 価格

    ¥605

  • 作者

    朝霧カフカ

  • ジャンル

    ライトノベル

  • 簡単なあらすじ

    「文豪ストレイドッグス」は、芥川龍之介や太宰治、中島敦といった日本の文豪たちがキャラクターとして登場し、文豪たちの作品にちなんだ能力を発揮して戦うバトル漫画です。

 

ほとんどの登場人物が実在した文豪であり、作品内で扱われるエピソードも実際に文豪たちに関する出来事や事件をベースに構成されています。

 

舞台は横浜で、主人公たちが属する探偵社が横浜の港に巣食うポートマフィア達の殲滅を目的にアクションを繰り広げます。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    いわゆるライト・ノベルであり、ストーリー自体大変面白く、読書に慣れた中学生だけではなく、アクション系の漫画が好きな人でもスラスラと読めてしまう一冊です。

 

また国語科教員時代、この本を実は授業の最初の5分間を使って読み聞かせをしていました。目的はもちろん、日本の文豪に興味を持ってもらうということです。

 

先ほど紹介した3名以外にも宮沢賢治や夏目漱石、与謝野晶子、江戸川乱歩など大勢の文豪たちが魅力あるキャラクターとして描かれています。

 

そのためこの「文豪ストレイドッグス」を読んだ後には、それぞれお気に入りの文豪たちの本を手にとって読んでみるきっかけ作りをすることができます。

 

やはり日本人として日本の文豪たちの純文学を読んでもらいたいです。しかし興味がないのに純文学を読んでも面白いと思う人は少ないでしょう。

 

実際に教科書には「走れメロス」や「坊ちゃん」「高瀬川」など名著が載せられていますが、あまり授業での食いつきは良くありません。

 

しかし文豪自体に興味があれば昔の本であっても魅力的に感じてくれるはずです。「文豪ストレイドッグス」は様々な純文学に触れるきっかけをくれる素晴らしいライトノベルなのです。

 

おすすめ9.「アルジャーノンに花束を」

  • タイトル

    「アルジャーノンに花束を」

  • 出版社

    早川書房

  • 価格

    ¥929

  • 作者

    ダニエル・キイス(著者) / 小尾 芙佐(監修)

  • ジャンル

    外国文学

  • 簡単なあらすじ

    知的な障害を持ち、幼児程度の知能である青年が主人公の物語です。

 

ある日、大学の先生から知能が良くなる手術を受けることを持ちかけられます。同様の知能手術を受けたハツカネズミは記憶力や思考力が向上し、それを見た青年は手術を受けることを決めました。

 

青年の手術は成功し初めは喜んでいましたが、そのうち知りたくもなかった事実すらも知覚できるようになってしまいます。そして手術前にはなかった悩みを抱えることとなってしまいました。

 

最後には思わず目頭が熱くなるようなシーンが登場し、読了後にはなんとも言えない感情が湧き出る作品です。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    青年の感情のゆらぎや、ハツカネズミとの友情、人間関係の中で生じる軋轢や他人との距離感など様々な要素が入り混じった「アルジャーノンに花束を」は、特に読書経験が深まってきた中学生に人気の一冊でした。

 

「IQが高いから幸せだ」「お金を持っているから幸せだ」といったことは、必ずしも正解ではないかもしれないのだと、物語を通して気づくことができます。

 

夏の読書感想文で選書される本としても定番で「感動した」「思わず涙が出た」と思春期の彼ら、彼女らの心の琴線に触れる物語となっています。

 

また、読書を通じて「感動する」という経験をすると、それ以降、読書に関する姿勢や捉え方が変わってきます。

 

部活動や習い事、学校行事を通して感動したり心が熱くなったりする経験を持つと、さらにそれらが好きになるということと同じように読書で感動した経験を持つと、読書が好きになります。

 

そんな経験を作ってくれる一冊ですので、非常におすすめです。

 

おすすめ10.「孤独と不安のレッスン」

  • タイトル

    「孤独と不安のレッスン」

  • 出版社

    大和書房

  • 価格

    ¥700

  • 作者

    鴻上 尚史

  • ジャンル

    倫理学・自己啓発

  • 簡単なあらすじ

    孤独や不安が世間では悪いものだと言われていますが、それは本当に悪いものなのかということを問い直し、再考するきっかけをくれる一冊です。

 

日本では集団行動の原理がいまだに根強く、「空気を読め」や「出る杭は打たれる」と言った習慣に苦しんでいる人がいます。

 

そんな文化の中で人間関係や自分についてどのように考えていけば悩みが晴れるのか、孤独とは何か、そのようなことが優しく解説されています。

  • おすすめポイントなどの紹介文

    中学生は大人以上に人間関係に悩みます。

 

クラスメイトや友人たちから離れることの不安、嫌われることの不安、一人になることの不安など。

しかし「孤独」であることでなぜ「不安」を感じてしまうのかを考えたことはあまりないはずですし、そのようなことを教えてくれる人もあまりいません。

 

本書はそのような疑問を解き明かし、孤独なことは実は悪いことではなく、豊かな一面もあるのだと教えてくれます。

 

私はこの本をよく人間関係に悩んでいる中学生に貸していました。すると吸収率のいい中学生の思考で、見事に人間関係の悩みを断ち切ってくれたり、新たな視点で友達関係を築こうとしてくれました。

 

また本書は中学生の言語力でも十分に読める優しい言葉で書かれており、その上でとても綺麗な日本語が使われています。

 

国語としても優秀な日本語の学習教材であるとともに、中学生が悩みがちな孤独への不安などについての一つの答えをくれる一冊です。

 

 

まとめ!筆者が10冊の中から最も素晴らしいと思った本は?

 

私がおすすめする最も素晴らしい一冊は「孤独と不安のレッスン」です!

 

中学生だけではなく全ての人間関係に悩む人たちにぜひ、読んでいただきたいと思うほど素晴らしい本です。

 

中学生の自殺問題や引きこもり、いじめ問題はなくなるどころか、自殺する中学生の若年化が目立ちます。

 

そんな中学生たち全員の悩みを解決することは簡単なことではありませんが、この本で少なくとも心が救われる中学生はいるはずです。

 

いじめ問題の加害者も被害者も抱えているのは、人間関係の不安定さです。しかしこの本を読めば、「孤独でもいいんだ」と考えることができます。

 

そうなれば人間関係の不安定さから来る不安を払拭し、精神的にも楽になるはずです。

 

人生を変える一冊と言っても過言ではない読書体験と与えてくれるこちらの本を是非中学生の間に読んで欲しいです。

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